保育士の資格を所持しながら、保育士として現在働いていない人のことを潜在保育士といいます。日本全国に76万人もいると言われ、中には子育て中の人も……。出産、子育てをきっかけに、保育士の仕事を辞める人も多いそうです。とはいえ、培ってきた保育の技術は、自分の子育てに活かせるだけではなく、さまざまな要素で活きてきます。
子育て経験があり、保育士として職場経験がある女性は、高い専門スキルを兼ね備えている。保育士の石川千恵さんは、そんな潜在保育士を集めて「ほいくのホンネ」というグループを立ち上げました。
活動を始めたきっかけは、子育てに悩んでいるお母さんに、保育の専門性から見た子育てのアドバイスをしたい。保育者を頼ってもらい子育てが楽しくなるきっかけになってほしいという想いから。石川さんは「ほいくのホンネ」を潜在保育士や元幼稚園の先生らで情報交換できるグループとし、活動を始めました。そして、潜在保育士たちが将来、子どもたちに関われるような仕事をするきっかけの場にしたいと構想を語ります。
石川さんは「ほいくのホンネ」に集まる潜在保育士や元幼稚園の先生は、自分の子どももとても大切にする人達ばかり。子どもを産んでから子どもに係ると、もっと子どもに対して心が広くなれるし、本当に温かくて愛情に溢れる保育ができるといいます。
子どもは、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、友達と日々触れ合いながら成長過程を歩んで行きます。そして様々な経験を重ねる度に、子どもの心は成長していきます。けれども、核家族化が進み人と人とのつながりが薄くなった現在では、情報に頼りながら実体験を積むというのが現状のようです。
多くの情報がある中で、お母さんは子どもに合う情報を選択していきます。石川さんによると、子どもの成長が目に見えてわかるようになるのが思春期の頃だそうです。情報通りに子育てをしても、うまく育っていくのか心配になるお母さんも多いでしょう。だからこそ「高い専門スキルをかみ砕いて伝えることで、お母さんたちの道標になれば」といいます。
子どもを一人の人間として育てることは、大きな喜びとやりがいを感じることです。一方で、子どもを育てるというプレッシャーで不安になることもあると思います。思い通りにいかないこと、また、家族の協力が得れないことで気持ちが落ち込むこともあるでしょう。
でも「子どもは無条件でお母さんを愛しているから、お母さんも子どもを無条件に愛してほしい」
お母さん自身が自分の心と向き合い、子育てと家族のバランスをうまくとりながら、よりよい子育てができるようにしたいという願いを込めて石川さんは活動を続けます。
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